みなさん、シーケンス図は何を使って書いていますか?
エクセルとかスプレッドシート、はたまた、draw.ioなど使っているかと思います。
私は、VSCode + PlantUMLで、シーケンス図を書いています。
ちなみに読み方は、「プラントユーエムエル」です。
PlantUMLであれば、テキストベースのため、git管理でき、履歴管理できます。
シーケンスは、実装次第で変わっていきますよね。
シーケンス図だけでなく、
- ユースケース図
- クラス図
- オブジェクト図
- コンポーネント図
- 配置図
- 状態遷移図
- タイミング図
等にも利用が可能です。
最近知ったのですが、システム構成図もかけるのですね。システム構成図を描く方は、以下を見てみてください。
直感的にシンプルに記述できるのですが、ちょっと凝ったことをやろうとするとその都度、調べないといけなく面倒だったので、こちらにまとめてみることにしました。
PlantUML以外では、最近GitHubで、「Mermaid」記法が使えるようになったので、こちらの利用者も増えていくことでしょう。
目次
VSCodeでPlantUMLを表示できるようにする
VSCodeがインストールされている事が前提になります。
まずは、ローカルマシンに、いくつか必要なパッケージをインストールします。
- Java
- Graphviz
- PlantUML
# brew install --cask temurin # brew install --cask adoptopenjdkはエラーになったため
# brew install graphviz
# brew install plantuml
久しぶりにbrewコマンドを実行したため、エラーだらけになりました。
以下を実行して、brew updateしました。
# git -C /usr/local/Homebrew/Library/Taps/homebrew/homebrew-core fetch --unshallow
# brew update
adoptopenjdkは500エラーとなったため、後継であるtemurinをインストールしています。
VSCodeのインストールは、以下から可能です。
私の環境では、VSCodeのバージョンは、1.62になります。
赤枠のアイコンをクリックし、「PlantUML」を検索して、一番最初のものをインストールします。
installをクリックしてインストールします。
VSCodeのプラグインの動作確認をする
前項のインストールが完了したら、新規でファイルを作成します。
拡張子は、以下のいづれかにします。
- .wsd
- .pu
- .puml
- .plantuml
- .iuml
作成したら、以下のコードを貼り付けてみてください。
@startuml
自宅->会社:出社
会社-->自宅:退社
@enduml
この状態で、option + D(Mac) or Alt + D(Windows)を押してみてください。
すると右側に、プレビューのウィンドウが表示されます。
こちらで動作確認としては、OKになります。
基本の書き方
以下の図では、自宅、会社が分類子になります。
シーケンスを->で記述して、分類子間をつなげていきます。
可読性という意味では、戻りのシーケンスは、”<–“で記述した方がよいかもしれません。(下のコードの上下どちらも同じ表示になります。)
@startuml
自宅->会社:出社
会社-->自宅: 退社
自宅->会社:出社
自宅<--会社:退社
@enduml
分類子の種類
分類子には、以下のようなものがあります。
- participant
- actor
- boundary
- control
- entity
- database
- collections
- queue
シーケンス図の色を変えてみる
こちらの配色のサンプルをよく見るかと思います。
見やすいといえば見やすいのですが、ちょっと味気なさを感じます。
そこで、デフォルトで用意されているテーマを利用して、色を変えてみます。
個別に色を変えることもできます。
テーマによっては、文字が消えてしまうものもあるのでご注意ください。
テーマを利用する場合は、@startumlのあとに、!theme テーマ名と記述します。
@startuml
!theme united
自宅->会社:出社
会社-->自宅:退社
@enduml
_none_
!theme _none_
amiga
!theme amiga
aws-orange
!theme aws-orange
black-knight
!theme black-knight
bluegray
!theme bluegray
blueprint
!theme blueprint
cerulean
!theme cerulean
cerulean-outline
!theme cerulean-outline
crt-amber
!theme crt-amber
crt-green
!theme crt-green
cyborg
!theme cyborg
cyborg-outline
!theme cyborg-outline
hacker
!theme hacker
lightgray
!theme lightgray
mars
!theme mars
materia
!theme materia
materia-outline
!theme materia-outline
metal
!theme metal
mimeograph
!theme mimeograph
minty
!theme minty
plain
!theme plain
reddress-darkblue
!theme reddress-darkblue
reddress-darkgreen
!theme reddress-darkgreen
reddress-darkorange
!theme reddress-darkorange
reddress-darkred
!theme reddress-darkred
reddress-lightblue
!theme reddress-lightblue
reddress-lightgreen
!theme reddress-lightgreen
reddress-lightorange
!theme reddress-lightorange
reddress-lightred
!theme reddress-lightred
sandstone
!theme sandstone
silver
!theme silver
sketchy
!theme sketchy
sketchy-outline
!theme sketchy-outline
spacelab
!theme spacelab
spacelab-white
!theme spacelab-white
superhero
!theme superhero
superhero-outline
!theme superhero-outline
toy
!theme toy
united
!theme united
vibrant
!theme vibrant
テーマによっては、出社・退社の文字が消えてしまっているものがあるのでその場合は、<color: 色></color>でくくることにより色を変更することができます。
@startuml
!theme united
自宅->会社:<color:blue>出社</color>
会社-->自宅:<color:blue>退社</color>
@enduml
エイリアス機能
分類子の名前を毎回書くと可読性が悪くなります。
そこでキーワードasを使って分類子の別名をつけることができます。
@startuml
hide unlinked
participant Participant as Foo
actor Actor as Foo1
boundary Boundary as Foo2
control Control as Foo3
Foo->Foo1: Participant->Actor
Foo->Foo2: Participant->Boundary
@enduml
上記の例では、controlも定義していますが、”hide unlinked”を入れることで、未接続の分類子(定義したけど利用していない分類子)が非表示になります。
hideキーワードには以下があります。
記述方法 | 内容 |
---|---|
hide unlinked | 未接続の分類子は非表示にする |
hide footbox | 分類子の下のボックスを非表示にする |
ボックスで分けたい
シーケンス図をかいていると、ここからここまでは、サーバ側、ここからここまでは、ユーザ側等で分けたくなることがあるかと思います。
そんなときは、キーワードboxを利用します。
@startuml
hide unlinked
actor ユーザ as u
participant スマホ as s
box サーバサイド # box タイトル名で始める
participant サーバ as sv
database DB as d
end box # end boxでボックスを閉じる
u->s: スマホ利用
s->sv: アクセス
sv->d: 検索
d-->sv: 結果
sv-->s: 表示
s->u:確認
@enduml
グループ分けをする
いくつかの処理をグループで分けて表示したいときがあります。
そういう場合は、altを利用します。
alt 認証が必要
u->s: 認証処理を実行
else 認証不要
u->s: 通常アクセス
end
alt以外にも以下が利用可能です。
opt
loop
par
ref over
break
critical
group 任意のラベル名
利用するとラベルの部分が変わります。
シーケンス図にタイトルをつける
なんのシーケン図なのかわかりやすくするために、タイトルをつけることができます。
title スマホでの検索について
title スマホでの検索について\n改行もできます
title 〜 endtitleで囲うと複数行の記入ができます。
title
スマホでの検索について
改行もできます
さらに改行
end title
メッセージにノートをつける
note right, note left, note overでメッセージにノートをつけることができます。
なぜに、centerではなく、overなのかと。overの方がしっくりくるけど、left, rightとあったらcenterがよかった。overが思い出せないですw
@startuml
title メモ書き
A->B
note left of A
Aの左にメモ
end note
B->C
note over of B
Bの上にメモ
end note
C-->B
B-->A
note right of C
Cの右にメモ
end note
@enduml
ノートの形を変える
線上にボックスを配置したいこともあるかと思います。その際は、ボックスの形を変え、色を変えると
分類子の上に、ボックスを配置することができます。
キーワード hnote と rnote を使ってノートの形を変更できます。
@startuml
title メモ書き
A->B
hnote left of A
hnote: 六角形
end note
B->C
rnote over of B #red
rnote: 四角
end note
C-->B
B-->A
hnote right of C
hnote: 六角形
end note
@enduml
区切りをつける(境界線)
シーケンスを書いていると、上の部分は、XX、これより下は、YYとか区切りをつけたくなることがあるかと思います。
== を利用します。
== ここから下は、別 ==
@startuml
== 初期化処理 ==
ユーザ -> サーバ: 認証要求
サーバ --> ユーザ: 許可
== 通常処理 ==
ユーザ -> サーバ: APIリクエスト
ユーザ <-- サーバ: レスポンス
@enduml
シーケンスに数字をつける
autonumberと宣言すると、シーケンスに添え字をつけることができます。
@startuml
autonumber # 添字開始
autonumber stop # 添字停止
autonumber 10 # 10から開始
autonumber resume # 再開
@startuml
autonumber
== 初期化処理 ==
ユーザ -> サーバ: 認証要求
サーバ --> ユーザ: 許可
autonumber stop
== 通常処理 ==
autonumber 10
ユーザ -> サーバ: APIリクエスト
ユーザ <-- サーバ: レスポンス
autonumber stop
@enduml